X /(X JAPAN)
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1st 2nd 3rd Art Of Life
 
4th

1st ALBUM <Vanishing Vision> 1988年
(1)Dear Loser
(2)Vanishing Love
(3)Phantom Of Guilt 
(4)Sadistic Desire
(5)Give Me The Pleasure
(6)I'll Kill You
(7)Alive
(8)Kurenai 
(9)Un-finished...

TOSHI(vo)、HIDE(g)、PATA(g)、TAIJI(b)、YOSHIKI(ds/piano)
87点
インディーズ時代に発表したデビュー作。Xをまだ知らなかった頃、雑誌でこのCDのジャケットを見て「酷いな!」と思ったものだ(苦笑) 予算の都合だろう、正直、音はあまり良くない。ところがその内容たるやメタラー必聴の作品である。ダークでドラマティックなイントロ(1)からスラッシーな疾走キラー・チューン(2)へと雪崩れ込む構成で掴みはOK!! (6)は怒涛の最速スラッシュ・チューンだが、パンキッシュな激しさも持ち合わせている。恐るべきテンポの速さの曲なのに、何でこんなに切ない歌メロが乗るんだ!? (7)は8分以上もあるパワー・バラード風の大作で、イントロにベートーヴェンの「月光」のフレーズが使われている。美しく激しく、そして混沌とした名曲。(8)は名曲「紅」の初期ヴァージョン(英詞)。この曲のツインリードの展開なんかはまさにジャーマン・パワーメタル! メイン・ソングライターはYOSHIKIだが、ダークな中にも憂いを感じさせるTAIJI作の(3)やHIDE作曲の、猟奇的な歌詞とは対照的にリフが超キャッチーな名曲(4)を聴けば分かるように、他のメンバーの曲作りのセンスも一級である。


(l. to r.) HIDE、TOSHI、YOSHIKI、PATA、TAIJI

2nd ALBUM <Blue Blood> 1989年
(1)Prologue(〜World Anthem)
(2)Blue Blood
(3)Week End
(4)Easy Fight Rambling
(5)X
(6)Endless Rain
(7)紅
(8)Xclamation
(9)オルガスム
(10)Celebration
(11)Rose Of Pain
(12)Unfinished

TOSHI(vo)、HIDE(g)、PATA(g)、TAIJI(b)、YOSHIKI(ds/piano)
96点
本作で彼らはメジャー・デビューを果たす。アルバムは壮大なイントロ(フランク・マリノ&マホガニー・ラッシュのカヴァー)で幕を開け、疾走するリフがスラッシーでメロディの煽情力が凄まじいキラー・チューン(2)へ突入。YOSHIKIがロックンロールを書こうとしたが、完成してみたら哀しく切ないハード・ロックになってしまった(3)、ライヴでのXジャンプでもお馴染みの(5)、既にインディーズ時代からライヴでは演奏されていた激しいスラッシュ・チューン(9)・・・と名曲が続く。超名曲(7)は日本語詞でのリメイクで、イントロにストリングスを加え、より一層ドラマティックになった。大仰で歌メロも歌詞も、とてつもなくクサい!! バラード曲(6)(12)の美しさも絶品! そして本作のハイライトは、YOSHIKIの天才振りを発揮した11分の大作(11)である。エリザベス・バートリの残虐行為をテーマに作られたこの曲は、オーケストラとの競演! イントロからバッハの「小フーガ ト短調」のフレーズが登場し、度肝を抜かれる。前半はスロー〜ミドル・テンポで叙情的に展開していき、後半で激しく疾走!! 構成も素晴らしいし、オーケストラとギターの絡みも涙もの。アルバム全編に渡ってYOSHIKIのファストでアグレッシヴなドラミング、PATAとHIDEのツイン・リード、攻撃的なTAIJIのベース捌きを堪能することが出来る。音質があまり良くなかったり、TOSHIのヴォーカルが聞き苦しい箇所もあるが、それを差し引いてもHR/HM史上に残る名盤であることに変わりはない。




 ちなみに、「X」と「オルガスム」の作詞としてクレジットされている白鳥瞳とはYOSHIKIの別名。あるインタヴューの中で彼は、YOSHIKI自身の作風を「混乱」、白鳥瞳の作風を「ポジティヴ」として両者を使い分けていると語っている。

3rd ALBUM <Jealousy> 1991年
(1)Es Durのピアノ線
(2)Silent Jealousy
(3)Miscast
(4)Desperate Angel
(5)White Wind From Mr.Martin
〜Pata's Nap〜
(6)Voiceless Screaming
(7)Stab Me In The Back
(8)Love Replica
(9)Joker
(10)Say Anything

 

TOSHI(vo)、HIDE(g)、PATA(g)、TAIJI(b)、YOSHIKI(ds/piano)
94点
前作に比べ、各メンバーの音楽性がより反映された印象を受けるアルバムである。YOSHIKIによる美しいピアノのイントロからハイスピードに展開していく超名曲(2)は欧州的な美旋律と切ない歌メロを纏った、全てのメタラー必聴曲。途中、YOSHIKIの語りからピアノ・ソロ→ツインリードへと移行する流れやストリングスの絡みといい、実にドラマティックだ!! HIDEによるスリリングな風刺曲(3)やキャッチーなハードロック(9)も◎。(7)はインディーズ時代からライヴで演奏され、オムニバスにも収録されたことがある、X史上最速のスラッシュ・チューンでとにかく激・激・激!! (6)はTAIJI作のアコースティック・バラードで、この曲のギターは全てTAIJI自身がプレイしており、YOSHIKIが作るバラードとはまた違った美しさや “泣き” を聴かせてくれる。その卓越した技術にはHIDEをして「俺には弾けない」と言わしめたほどだとか。(10)はアルバムの最後を飾るに相応しい、クサメロ満載の8分越えの大作バラードで、大仰なストリングスがたまらない。当初は「ART OF LIFE」、「Standing Sex」、「Sadistic Desire」を含む2枚組としてリリースする予定だったが、YOSHIKIの体調不良などでレコーディングが間に合わず、2枚組とはならなかった。

MINI ALBUM <Art Of Life> 1993年
(1)Art Of Life

TOSHI(vo)、HIDE(g)、PATA(g)、HEATH(b)、
YOSHIKI(ds/piano)
99点
バンド名をX JAPANに改名してからの最初の作品。
何と、1曲で29分の超大作!!

元々はアルバム『Jealousy』に収録し、2枚組として発表する予定であったが、レコーディングが難航したため、この曲の収録は見送られた。YOSHIKIの半生を描いたと言われる曲で、ハードロック/ヘヴィ・メタルをベースにクラシック音楽的要素、ピアノ・ソロなどで構成されている。オーケストラ・パートはロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団による。

ちなみに、YOSHIKIは自らの半生を描くにあたって、小学高2年で初めて買ったレコードである、シューベルトの交響曲第8番ロ短調「未完成」を曲中に取り入れることが構想段階からあったらしい。そのため、「未完成」のフレーズが曲中に多く使われている。

メタルやプログレの世界で、大作は珍しいものではない。が、実際のところ、大作と言っても中には実は複数の曲の集まりから成り立っている組曲であるとか、長い1曲の中でただ複雑で唐突な展開をしていくに過ぎない曲もある。この曲は違う! 曲の構造、それ自体は至ってシンプルであり、メロディアス。そう、YOSHIKIがこれまでに作ってきた名曲達のように・・・。そして、ファストでアグレッシヴなメタルでもある! 

ストリングスとピアノ、そしてエレアコによる美しいイントロが終わり、ヴォーカルが入るあたりはバラードのような展開だが、そこにバンドが参加し、劇的に疾走開始! ツーバスが激走し、ツインリードが叙情フレーズを奏で、そこにストリングスが絡んでくる。女性ヴォイスによる英語の語りも良いな。ひたすら疾走し、8分を過ぎた頃にスローダウンし、クサいサビへ。そして極上のツインリードにオーケストラが絡みながら再び疾走するのだが、やはり生のオーケストラは迫力が違う! この辺りの劇的な展開はまさに失禁モノ。2回目のサビが終わると、YOSHIKIによるピアノ・ソロだ。主旋律以外の部分で不協和音を奏でている、狂気に満ちたピアノ・ソロは圧巻だ。それはまさにカオス・・・。ピアノが終わった後はストリングスが美しいメロディを奏で、エンディングに向かって疾走。ここでもメロディの煽情力が尋常じゃない・・・。

美旋律とカオスが入り乱れた、究極の1曲! 
まさに、アート!!
人生の中でこのような本当に素晴らしい曲に出会えたことは至上の喜びである。

4th ALBUM <DAHLIA> 1996年
(1)DAHLIA
(2)SCARS
(3)Longing〜跡切れたmelody〜
(4)Rusty Nail
(5)White PoemT
(6)CRUCIFY MY LOVE
(7)Tears
(8)Wriggle
(9)DRAIN
(10)Forever Love(acoustic)





TOSHI(vo)、HIDE(g)、PATA(g)、HEATH(b)、YOSHIKI(ds/piano)
88点
『Jealousy』から実に5年振り(!)のスタジオ・アルバム。発売の時点で10曲のうち6曲が既にシングルとしてリリースされており、シングル・コレクションとも言える作品に・・・。こうなったのには次のような理由があった。それは、YOSHIKIが完璧主義者であることや彼の持病などが原因でレコーディングが長期化し、その結果として資金不足という問題が発生・・・。そこで、'93年以降の録音作品を次々にシングルとしてリリースするしかなかったのである。激烈疾走チューンが(1)だけと言うのは寂しいし、バラードが多いのだが、どの曲も完成度は素晴らしいし、良い意味でのB級っぽさがなくなり洗練されている。サウンドもクリア。TOSHIのヴォーカルはここに来て更に旨くなった。各シングルのレヴューも参照にしていただきたいが、(7)はシングル・ヴァージョンにはなかった、YOSHIKIによる英語の語りが曲の終盤に挿入されている(詞の内容が泣ける・・・。) このアルバムをリリースした翌年にTOSHIの脱退が決まり、バンドは解散することとなった。